改訂にあたって
『日本語の基礎uと『日本語の基礎II.Iはその作成時期において、 10年近く
の聞きがある。そのためIからEを通してみると、内容的に統一を欠く面が残っ
た。このような内容の是正と共に、これまでの教授法の反省を踏まえて、 1985年
より、『日本語の基礎I.II .I の全面的改訂に踏み切った。改訂にあたり、留意 し
た点は以下の通りである。
1.まず、基本的で使用頻度の高い日本語の文型、語輩、表現などを再検討し、
内容の刷新を図った。更に、文型、例文、会話、練習など、教科書全体の構
成を立て直した。
2. r日本語の基礎』の文型練習の積み上げによる文型、語義の定着の良さとい
う長所を生かしながらも、会話の実際的な運用力が向上するように「練習
CJ
を加えた。
3. 研修生及び、技術研修先の会社や工場の方々の協力を仰いで、、研修生が来
日してから帰国するまでの言語活動を調査した。この中から、研修生が日本
語を使用する場面、状況などを選ぴ、「会話」に反映させた。「会話」は簡潔
な表現で、しかも実用性が高く、自然な日本語であることに留意した。
4. 数課ごとの復習、文法事項のまとめ、関連語葉などを加え、学習者、教授
者にも教科書として使いやすくなるように配慮した。
5. 日本語学習の初期段階における聞き取 り力の養成を重視 し、「問題」に聞き
取りの内容を多く取り入れた。また、読解力を養う導入として、短い内容の
読み物を配した。
『新日本語の基礎
uは、上記の意図に基づく初級レベルの日本語教科書であ
る。学習時間は約1∞時間である。 2年間の試用期間を置き、検討、補正を重ね、
発刊に至った。しかし、まだなお不十分な点があると思われる。多くの方々の御
批判、御助言をいただき、より一層の充実を目指したい。
凡例
1.教科書の構成
この教科書は本冊、分冊、及びカセットテープ
/eDより成る。本冊はローマ字版と漢
字かなまじり版の2種類がある。分冊は英語、インドネシア語、タイ語、スペイン語、
韓国語、中国語なと:llヶ国語がある。
この教科書は日本語を聞く、話すということを中心に構成されている
O従って、ひら
がな、かたかな、漢字などの文字の読み書きの指導は含んで、いなし、。
n. 教科書の内容及び使い方
1.本冊
1)日本語の発音
日本語の発音上注意すべき点について、主な例を提出しである。この上になお、学
習者の個々の母国語の背景を考慮した練習をすることが望ましし、
2) 教室の言葉、挨拶、数字
教師の指示、日常の基本的挨拶などで、本課に入ってからもよく使われるものなの
で、しっかり練習しておく
O
3) 本課
l課から25課まであ り、内容は以下のように分けられる。
骨文型
その課で、学ぶ基本文型を提出順序に従って掲げてある。
⑨例文
基本文型を質問及び答えという対話の形式で表しである。文型が実際にどのよう
に用いられているかを談話の最小単位の形で示したもので、ある。また、その課で扱
われた副詞や接続詞などの使い方をできるだけ取り上げた。基本文型に示された以
外のその課で学ぶ学習項目も入っている。
事会話
会話の登場人物はセンターで6週間の一般研修を受けあ研修生達を中心として、
コース開始から研修先へ赴くまでの話しをまとめである
o各課の学習内容を密着さ
せた形で日常生活によく使用されるt対多などの慣用的表現を加えて作成した。平易
な会話であるから、全文暗記することが望ましい。余裕があれば、分冊の関連語蒙
表や視聴覚教材などを利用して、この会話を発展させ、会話力の向上に役立たせて
ほしい。
④練習
練習はA, B, Cの三段階に分かれる。練
習A
は文法的な構造を理解 しやすいよ
うに、視覚的効果を考えてレイアウトしである。基本的な文型を語棄の代入という
形で定着を図ると共に、活用形の作り方、後続句への品詞別の接続の仕方などを学
びやすく配慮しである。
練習
Bは様々なドリル形式を用いて、基本文型の定着の強化を図るものである。
正Tの印のついた番号は絵チャー トを用いる練習を示す。
練習
Cは練習A,Bの基礎的な文型練習が円滑に出来るようになった段階で行う
慣開
要費需?
短い会話練習ドリルである。文型が実際にどのような場面、状況の中で、その機能
を果たすかを学ばせ、発話力を高めるために設けた。教科書のまま読み上げたり、
単にリピートするだけではなく、クラスのレベルや状況に合わせて、モデル文の代
入肢を変えたり、さらに練習の展開を図るような工夫が望まれる。
⑤問題
問題には、聞き取り(~マークの箇所)と文法問題とがある。聞き取りはカセ
ットテープ/eDを聞いて、短い質問に答える問題と、短い会話のやりとりを聞いて
内容の要点を把握する問題とがある。これらの問題は聞き取りの力の強化を図るた
めに設けた。文法問題は、語葉やその課で学んだ文法事項の理解度を確認するもの
である。読解問題は既習語索、文型を使って書き下した平易な文を読んで、その内
容に関する質問に答えるものが多い。
⑥復習
数課ごとに学習事項の要点を再整理するために設けた。
⑦まとめ
本冊の終わりに、この教科書に提出された助調や動詞のいろいろなフォームの使
い方、副調や接続調などの文法事項を項目ごとにまとめ、例文を掲げた。
⑧索引
本冊の教室の言葉、挨拶、数字をはじめ、各課の新出詑葉、表現などが載せてあ
る。
2. 分冊
分冊は
PARTIからPARTIVまでの4つの内容に分かれる。
① PART
!語嚢及び訳
各課の新出語葉とその各国語訳が載せてある。これらは絵教材化されて市販され
ている。
②
PARTH関連語嚢及び訳
必須語棄ではないが、役に立っと思われる語棄を中心に、 13項目に分けてまとめ
た。
③ PARTm 翻訳
本冊中の発音編、教室の言葉L挨拶、文型、例文、会話及びまとめの部分の各国
語訳である。
④ PARTlV 付表
数字、時の表現、期間の表し方、助数詞など、この教科書で提出されている語嚢
面の学習内容を整理し、更に多少項目を追加した。
3. 表記上の注意
1)漢字は原則として、「常用漢字表
Jによる。
①「熟字訓(2文字以上め漢字を組み合わせ、特別な読み方をするもの)Jのうち、
「常用漢字表
jの「付録」に示されるものは漢字で書いた。
例友達果物眼鏡
②国名・地名などの固有名調、又は芸能・文化などの専門分野の語には、「常用漢字
表」にない漢字や音訓を用いた。
おおさかむらか
例大阪奈良歌舞伎
2) r常用漢字表」及び 「付表jに示される範囲で漢字を用い、振 り仮名を付けたが、
学習者の読みやすきを配慮して、一部仮名書きにした。
例ある(有る・在る)九),ん(多分)
きのう(昨日)こんにちは(今日は)
3)数字は原則として算用数字を用いた。
例。蒔 i宵i首 ひ│とつ
ただし、次のような場合は漢数字を用いた。
例以て、長三桝L
4. その他
1)文中省略できる詩句は[ ]でくくった。
{列はい、[わたしは]ラオです。
2) 1つのものに違った表現がある場合はそれを ( )でくくって示した。
τ
;;,
~
例お手洗い(トイレ)
3)別の語句と置き換えができる部分は[ ]でくくって示した。
例[コーヒー]は k、かがですか。
学習者のみなさんヘ
1.言葉をよく覚え、文型を繰り返し練習しましょう。
この教科書の分冊には各課ごとに新しい言葉が提出されています。まず、そ
の言葉をよく覚えましょう。その上で、文型の正しい意味を捕らえ、文の形が
しっかり身につくまで繰り返し練習してください。特に「練習
A,BJ は実際
に声を出して練習しましょう。
2. 会話の練習を十分にしましょう。
文型練習の次は会話練習です。「会話
jには日常生活で遭遇するさまざまな場
面を取り上げました。こうした会話に慣れるために、まず「練習CJでよく練
習しましょう。それから「会話」で場面や状況にふさわしいやり取りのコツを
覚えましょう。
3. テープ'l eoを何度も聞きましょう。
文型練習や会話練習の際は、正しい発音や抑揚などを身につけるために、
テープ
ICDを聞きながら、実際に声を出して練習しましょう。また、日本語
の音やスピードに慣れ、内容を聞き取る力を養うためにも、テープICDを何
度も聞きましょう。
4. 必ず復習をしましょう。
授業で習ったことを忘れないためにも、必ずその日のうちに復習をしましょ
う。最後に「問題」で学んだ‘ことを確認し、聞き取りの均試しをしましょう。
5. 実際に話してみましょう。
教室の中だけが学習の場ではありません。学んだ日本語を使って友達や一般
の日本人に話しかけてみましょう。学んだものが役立てば、学習の励みにもな
るでしょう。
以上のことを守って、この教科書の勉強を終えると、日常生活に必要な基本
的な語棄と日本語の基本的な表現が身につきます。焦らず根気よく勉強を続け
てください。
とうきょiIt んしゅ1
TKC(東京研修セ ンター)
"λ ざ
銀座
ひろしま
広島
九州、i
沖縄
にほんちす
日本の地図
新宿
本州
京都
神戸
四国
KKC(関西研修セ ンター)
YKC(横浜研修セ ンター)
横浜
北海道
ちゅうぷけんい刊
CKC (中部研修センター)
大阪城
とうじようじんぷつ
登場人物
あ・も
主な
テキストの
この
It人しゅうせい
研修生
いる
勉強して
日本語を
.センターで
リー
アリ
ナロン
ラオ
けんしゅう廿t
研修生
いる
実習して
会社で
住んで
.センターに
マリオ
キム
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(.:.IJ ん じん
日本人
いる
働いて
.センターで
ぜんせレ
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人々
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やまもよ
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じ
次
目
ページ
3
3
3
I.日本語の
n. 教 室の
あいさつ
m. 挨拶 …・・
すう
U
N. 数字 ・
発音
ことば
4
課 …・……
わたしは
あリません。
ラオです。
にほんじ
ι
ナロンさんは日本人では
けんしゅうせい
研修生ですか。
けんしゅうせ、、
研修生です。
2.
3. ア リさんは
4. リー さん も
会話:紹介
第
12
課… ・
H・.
.
~
~
~
・
H・-
ほん
I. これは 本 です。
2. それは わた しの
ほん
3. この 本 は
カレわゥけつけ
会話:受付で
2
第
謀 …・・・・・…
H・.
•.••.•••.•••.•••.•••.•
\~I.
• • • • .…・・・・ 20
教室です。
あそこです。
3
I. ここは
2. 事務所は
会話:デパートで
第
課… , " ・・・・ 28
、ま仁戸ん
I. 今 │時10分 です。
あきじj.;
2. わた しは
朝6
時 に 起 きます。
3. わた しは q時か
ら5
時 まで 働 きます。
へんきょう
4. わた しは きの う 勉 強 しました。
会話:スケジュール
4第
課 36
わたしは京都へ行きます。
ひごヲきくにかえ
飛行機で国へ帰リます。
ともだちにほん
友達と日本へ来ました。
乗る
5
2. わた しは
3. わた しは
会話:電車に
第
課・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44
飲みます。
第
6
コーヒーを
デパートでシャツを買います。
いっしょにごはんを食べませんか。
やす
{木みましょう。
行く
2.
3.
4. ロ ビーで
会話:映画に
わたしは
わたしは
復習
.52A
課 ・
H・-…
54
食べます。
7
第
あげます。
もらいました。
ごはんを
時計を
辞書を
はしで
リーさんに
田中さんに
わたしは
わたしは
課 一 62
Lんせつ
I. ラオさんは 親切 です。
とっきょうおお
2. 東 京 は 大 きいです。
Lんせ勺 ひと
3. ラオさんは 親切 な 人 です。
とうきょうおおまら
4. 東 京 は 大 きい 町です。
かいわ(ょうもん
会話:センター訪問
8
第
課・… ・・・・・ 70
好きです。
9
第
りんこが
わたしは
行きます。
びょういん
病院へ
あります。
痛いですから、
カメラが
おなかが
わたしは
3. わた しは
か
L、わぴょうき
会話:病気
2.
課・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 78
じむ
Lょ た なか
I. 事務所 に 田中 さんが
2. ロビーに テ レビf; {
へや
部屋に
ヴえ
上に
います。
10
第
あります。
います。
あリます。
課 ・
H・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
86
みフ
リんごを 3つ買います。
2台 あ リます。
ねん
|年~
¥:tす。
11
第
2.
3. ラオさんは
かL、わゆフひんきょく
会話:郵便局で
課…・・… 94
あめ
きのうは雨でした。
きじ
きのうは寒かったです。
とっきょうおおさかおお
東京は大阪よリ大きいです。
12
第
わか
若いです。いちばんナロンさんが
課・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 102
I. わた しは カメラが 欲 しいです。
えいがみ
2. わた しは 映画 を 見 たいです。
3. わた しは デパー トへ 靴 を 買いに
かし、わかい
Lゆっ
会話:外出
行きます。
13
第
110
復習
B
課 ・
H・ … ・
H・ ・
H・-・……………………………………… ・
H・-………・
112
I. 辞書 を 貸 して
2. リー さんは 今
か l,わ p
会話:カメラ屋で
います。
ください。
み
見て
テレビを
14
第
課・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 120
す
I. たば こを 吸 って も
2. ラオさんは
会話:家族
います。
カメラを
L、L 、
15第
課・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 128
あきあ土
I. 朝 起 きて、 ごはん を 食べて、会社 へ 行 きます。
2. 仕事が 終わってか ら、す ぐ うちへ 帰 ります。
とヲきょうひとあお
3. 東 京 は 人が 多 くて、 にぎやかです。
かl、ゎ
会話:レストランへ行く
16
第
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